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ロータリーE/G、それはMAZDAが実用化した、スポーツカーのための E/G
1960年初頭、当時 東洋工業(広島)だったMAZDAは、NSU社・バンケル社(ドイツ)と技術提携を結
ぶ。これは、自動車メーカーを統合しメーカー数を減らすという、政府(当時の通産省)の目的から逃れ、
生き残りを望む社運をかけた選択だった。
しかし、開発・研究されてからのロータリーの歴史は薄く、ベースとなる基本構造は判っていても、自動車で
しかも量産体制に移すまでには、数多くの課題が残されていた。
そこで、MAZDAは、ロータリー47士を集結させる。 課題として主だった事柄は、『悪魔の爪跡』(ハウジングとアペックスシールがこすれ合ってできるチャターマ ーク:曲線状傷跡)、『かちかち山』(ものすごい量の黒煙)、『電気アンマ』(耐え難い振動)、があった。 その数多くの解決困難な課題を、試行錯誤の上 ロータリー47士達は、原爆で失われた地元広島の復興も願 い、ものすごい執念で、約6年の歳月を費やし、クリアーしていった。 そこで、完成・発表されたのが、コスモ・スポーツ(10A型・491cc×2ローター)だった。 それから、ロータリエンジンは「コスモ」、「ファミリア」、「ルーチェ」、「カペラ」に採用され、初代 「RX−7(SA22C)」と移行される。 MAZDAで、現在採用されているのはRX−7のみ、それはスポーツカーのためのE/Gだから… (オイルショックによる、燃費や排ガスのバッシング影響もありますが) それは、なぜか… @動力伝達の効率化 ロータリーエンジンとレシプロエンジン(通常のピストンで爆発圧縮するエンジン)との大きな違いは、車に駆 動力をもたらすエンジンの回転運動を生み出すための機構が回転運動か往復運動にある。 レシプロが、ピストンを爆発・圧縮で上下運動しクランクシャフトに動力を伝えているのに対して、ロータリー はおむすび型のローターが8の字の軌跡(トロコイド曲線という)を描きながら回転しエキセントリックシャフト に動力を伝えている、上下運動を回転運動に切り替えるよりも、回転運動をそのまま伝えた方が、エネルギー ロスがなく、効率よくスムースに回るのは容易に想像できる。
作動原理上、4サイクルエンジンはシリンダー内のピストンの上下運動にカムがタイミングを合わせてバルブ が開閉し、「吸気」−「圧縮」−「燃焼膨張」−「排気」が行われる。ピストンが下がりながらバルブが開 いて吸入、バルブを閉じてピストンが上がることで圧縮、燃焼膨張で再びピストンは下がり、再度ピストンが 上がることによって排気バルブから排気される。つまり、1回の燃焼行程を行うのにピストンは2往復、クランク シャフト(出力軸)は2回転している。 さらにバルブを介して吸気が行われるため、バルブの開閉のタイミングが、エンジンの出力特性を左右す る。このため、レシプロエンジンではバルブを動かすカムのタイミングを変えることで(いわゆるハイカムなど がこれにあたる)エンジンの特性を変えるチューニングが行われる。 これに対しロータリーでは、バスタブ型のハウジングの中を、おむすび型のローターが回転しながら動いて おり、このローターとハウジングの間にできる3つの燃焼室が、少しずつずれて、容積が変わることで、「吸 気」−「圧縮」−「点火&爆発」−「排気」の4つの行程が行われている。それぞれの燃焼室はローターが 1回転する間に1回ずつ吸気〜排気までの行程を完了するようになっている。4つの行程があるのは、4サイクル エンジンと同じだが、出力軸1回転あたり、燃焼室(ローターとハウジングの隙間)が3カ所出来るため、この 4行程が3回行われる。 そのため、FDの場合1300cc(13B)の排気量で260馬力もの力を出せる B軽量・コンパクト ロータリーは、レシプロエンジンのバルブやカムと言った給排気制御を、ポートで行うため構成パーツが少な くてすむ。 また、上記のように効率がいいために、その分軽量・コンパクトに出来る。 そして、コンパクトと言うことは、エンジンマウントをフロントミッドシップとし、できる限り低い位置に納めること が出来るため、前後重量配分50/50に近づけ、低重心が可能になる。 |
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FC約1年半、FD約2年と所有していたのは短い期間だったが、私は生涯『RX−7のオーナー』だったことを誇りに思う、ロータリーE/Gよ永遠なれ…
RX−7、それは世界で唯一ロータリーエンジンを搭載した、 純血スポーツカー |